親が通院できなくなったら?家族が知っておきたい支援と訪問診療の選択肢

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親が通院できなくなったら?家族が知っておきたい支援と訪問診療の選択肢

親が通院できなくなったら?家族が知っておきたい支援と訪問診療の選択肢

「高齢の親が病院まで歩けなくなった」「仕事があり、毎回の付き添いが難しい」「離れて暮らす親の受診が途切れそう」。親御さんの通院を支えるなかで、これまでの方法を続けることに限界を感じるご家族もいるでしょう。

親が通院できないときは、本人の体調や移動の難しさと、ご家族の付き添いの難しさを分けて考えることが大切です。通院を支える方法を探すのか、自宅で医療を受ける訪問診療を検討するのかは、病状や暮らしに合わせて相談していきます。[1][3]

この記事では、急な体調変化への対応、通院を続けるための支援、訪問診療という選択肢、家族で準備しておきたいことを解説します。家族だけで結論を出そうとせず、まずは「何に困っているか」を整理するところから始めましょう。

親が通院できないときは、まず急な体調変化がないか確認する

「以前から外出が大変だった」のか、「今日になって急に動けなくなった」のかでは、必要な対応が異なります。急な重い症状がある場合は、訪問診療の申し込みや次の予約日を待たず、救急対応を優先してください。[2]

高齢の方では、自覚症状がはっきりしない場合もあります。「いつもと様子が違う」と感じたら、かかりつけ医などへ早めに相談しましょう。訪問診療は定期的・計画的に行う医療であり、新しく申し込めばその日の急変に必ず対応してもらえる仕組みではありません。[2][5]

通院が難しい理由を、4つの視点で整理する

親が通院しづらくなったときに確認したい、通院できない理由、付き添いの状況、症状や困りごと、今の受診先の4項目を示した図。

通院の負担には、身体の問題だけでなく、移動手段、付き添い、ご本人の気持ちなどが重なっていることがあります。以下は、相談するときに困りごとを伝えるための整理例です。診断や訪問診療の利用可否を判定する表ではありません。

「通院できない」の中身を整理する
困っていること 確認しておきたい具体例
歩行・移動の負担 玄関の段差を越えられるか、車への乗り降りができるか、待合室で座っていられるか。
交通手段の問題 運転をやめた、バス停まで遠い、車いすで利用できる移動手段を知らない。
付き添いの不足 家族が仕事を休めない、遠方に住んでいる、受付や診察内容の確認まで手助けが必要。
不安・受診への抵抗 長い待ち時間や検査が負担、費用が心配、通院の必要性が十分に伝わっていない。

相談時の整理例。複数の項目に当てはまる場合は、まとめて伝えましょう。

たとえば「母を病院へ連れていけない」だけでなく、「家の中は歩けるものの、玄関の階段と車への乗り移りに介助が必要」と伝えると、相談内容が具体的になります。送迎があれば受診できるのか、介助があっても外出自体が難しいのかを、医師やケアマネジャーと一緒に確認しましょう。

身体の状態が変わった時期や、前回の通院でどこが大変だったかもメモしておくとよいでしょう。通院前の着替えから帰宅後までを振り返ると、必要な支援を整理しやすくなります。

通院を続けるための支援は、送迎と付き添いを分けて考える

親の通院を支える選択肢として、家族の送迎・付き添い、介護タクシー、ケアマネジャーへの相談、地域包括支援センターを紹介する図。

ご本人が外来で診察を受けられる状態でも、移動や付き添いを家族だけで支えるのが難しいことがあります。その場合は、いきなり通院を中断するのではなく、現在の医療機関や担当ケアマネジャーに、通院の支援を相談しましょう。[3][4]

通院の支援を相談するときの確認ポイント
支援の方向性 依頼する前に確認すること
送迎・車両の手配 通常のタクシーで移動できるか、介護・福祉タクシーなどが必要か。車いすへの対応、玄関から車までの介助、往復の予約を確認します。
通院時の介助 乗り降りだけでよいのか、受付・院内移動・診察への付き添いまで必要か。どこまで対応するかを事業者に確認します。
家族の役割分担 送迎する人、予約する人、医師の説明を確認する人などを分け、難しい部分を支援者へ相談します。
受診日程の相談 付き添い可能な曜日や移動にかかる時間を伝えます。診察間隔の変更は、病状を踏まえて医師に判断してもらいます。

支援を選ぶための確認例です。利用条件・対応範囲・料金は自治体や事業者によって確認が必要です。[3][4]

「送迎がある」と「診察まで付き添ってもらえる」は別です

依頼時には、「車に乗せてもらうだけでよいのか」「受付や診察内容の確認も必要なのか」を分けて伝えましょう。帰りの迎え方、待ち時間中の対応、追加料金も確認しておくと、当日の行き違いを防ぐ助けになります。

通院支援がすべて介護保険でまかなわれるわけではありません

介護保険の訪問介護には、要介護者の通院に伴う乗り降りや移動などを介助する「通院等乗降介助」というサービスがあります。ただし、車両の運賃そのものは介護報酬の対象ではありません。院内の付き添いを含め、必要な介助が保険の対象になるか、自費の費用がいくらかかるかは、ケアマネジャーや自治体・事業者へ確認してください。[4]

まだ介護サービスを利用していない場合は、地域包括支援センターが相談先になります。「付き添える家族がいない」「介護認定を受けるべきかわからない」といった段階から、困りごとを伝えてみましょう。[3]

外出そのものが難しい場合は、訪問診療を検討する

訪問診療について相談するきっかけとして、通院が難しい、退院後の療養が不安、自宅で医療的な管理が必要、家族の負担が大きいという4つの場面を示した図。

移動に介助があっても通院の負担が大きい場合は、自宅で医師の診療を受ける訪問診療を相談する選択肢があります。利用できるかどうかは、病状、通院の難しさ、訪問先などを確認して医療機関が判断します。「高齢だから」「家族が忙しいから」という事情だけで、自動的に利用が決まるわけではありません。[1]

ご自宅でどのように治療を続けるかを考える際は、訪問診療のほかにも、看護や介護の支援を組み合わせることがあります。名前が似ていても役割は異なります。[5][6]

在宅療養を支える主な医療・介護の役割
サービス 主な役割と考え方
訪問診療 医師が定期的・計画的に訪問し、診察や治療を行います。通院困難の状況などを確認して開始します。
往診 患者さんの求めなどに応じ、必要により医師が訪問して診療します。対応の可否は医療機関や状況によります。
訪問看護 主治医の指示のもと、看護師などが療養生活や医療面を支えます。医師による診察とは役割が異なります。
訪問介護など 日常生活の介助や生活支援を担います。必要なサービスをケアマネジャーなどと相談します。

一般的な役割の整理です。必要な支援や各サービスの利用条件は個別に確認します。[5][6]

訪問診療に変えても、必要な病院受診は続けられます

訪問診療と、専門科での診察・検査を組み合わせることも可能です。「すべての通院をやめるか、これまでどおり続けるか」の二択ではありません。どの診療を自宅で行い、どの検査を病院で受けるか、関係する医師に相談しましょう。[5]

受診を嫌がる・離れて暮らしている場合にできること

ご本人が何を負担に感じているのかを聞く

「病院に行きたくない」と言われたときは、まず「移動がつらいのか」「待つ時間が嫌なのか」「検査や費用が心配なのか」を、落ち着いて話せるときに聞いてみましょう。無理に説得するより、ご本人の言葉を医療者に伝え、負担を減らす方法を相談するという進め方もあります。

受診を嫌がる理由を、ご家族だけで「年齢のせい」「認知症だから」と決めつけないことも大切です。普段の生活や体調に気になる変化がある場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターへ相談してください。[3]

遠方の家族は、現地で支える人との連絡方法を決める

離れて暮らしている場合は、ご本人の意向を確認し、病院からの連絡を受ける人、予約や薬の残りを確認する人、近くで様子を見られる人を整理しましょう。相談時には、実際に支援を受ける親御さんの住所を伝え、現地で利用できる窓口につながることが大切です。[3][6]

ご家族が訪問できる回数や時間も、遠慮せず共有してください。「毎回は付き添えない」「日中は電話に出られない」といった条件を最初に伝え、続けられる体制を一緒に考えましょう。

受診や薬が途切れる前に、家族で準備しておきたいこと

相談前に家族で準備したい情報として、症状・経過、飲んでいる薬、保険証など、連絡が取れる家族、希望・困りごとの5項目を示した図。

次の受診が難しいとわかったら、予約日を過ぎるまで待たず、今の医療機関へ連絡しましょう。特に薬がなくなりそうな場合は、残りの量を伝え、必要な診察方法と薬の受け取り方を相談してください。薬の回数や量を自己判断で変えて日数を延ばすのではなく、医師・薬剤師に確認することが大切です。

初回の相談に向けた家族のメモ
整理する項目 書いておきたい内容
現在の体調と経過 いつから通院が難しくなったか、急な変化があるか、歩行や乗り降りで必要な手助け。
通院・服薬の状況 通院先、次の予約日、お薬手帳、薬の残り。退院予定があればその日程。
暮らしと支援者 住所、同居・独居、家族が対応できる範囲、担当ケアマネジャー、利用中のサービス。
ご本人の希望 今の病院を続けたい、自宅で診療を受けたい、外出や訪問への不安、費用の心配。

ご家族が相談内容を整理するための例です。すべての情報や書類をそろえるまで、相談を待つ必要はありません。

入院中で退院後の通院が心配な場合は、退院してからではなく、病院の主治医や医療相談員へ早めに伝えましょう。在宅療養に必要な支援は、病院の担当者と相談しながら準備していきます。[8]

宇都宮で親の通院に困ったときの相談先

まずは、親御さんの病状を知るかかりつけ医・病院や、担当ケアマネジャーに相談してください。介護サービスを利用していない場合や相談相手がわからない場合は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターも窓口になります。[3][8]

宇都宮市では、高齢の方やご家族の介護・福祉・健康の相談を地域包括支援センターで受け付けています。電話や窓口での相談のほか、自宅への訪問にも対応し、相談に係る費用はかからないと案内されています。[3]

あいはらクリニックへの訪問診療の相談

あいはらクリニックでは、身体機能の低下などで通院が難しい方への在宅医療を行っています。訪問診療をご希望の方は、担当ケアマネジャーまたはかかりつけ病院へご相談ください。いずれもいない場合は、当院へ直接ご連絡ください。[1]

病状や訪問先などを確認したうえで、対応の可否と開始までの流れをご案内します。相談した時点で必ず利用が決まるわけではありません。通院の送迎や付き添いを希望する場合は、利用できる支援について担当ケアマネジャーなどにも確認しましょう。

親の通院が難しいときによくある質問

Q. 家族が付き添えないだけでも、訪問診療を利用できますか?

付き添いの都合だけで利用可否が決まるわけではありません。ご本人の病状や通院の難しさを医療機関が確認します。送迎や介助があれば外来へ通える場合には、通院を支える方法も含めて相談しましょう。[1][4]

Q. 一人暮らしの親でも、自宅で医療を受けられますか?

一人暮らしでも、通院が困難な場合は訪問診療を相談できます。服薬や日常生活の支援、訪問時の対応、緊急時の連絡など、どのような体制が必要かを確認します。同居家族がいないという理由だけで、相談をあきらめる必要はありません。[5][6]

Q. 介護認定を受けていなくても相談できますか?

相談できます。訪問診療は医療保険を使用する医療で、介護認定を受けていないことだけで利用できないわけではありません。介護サービスが必要な場合は、その申請や支援について地域包括支援センターなどへ相談できます。[5][3]

Q. オンライン診療に変えれば、通院しなくても大丈夫ですか?

すべてをオンラインに置き換えられるわけではありません。触診などができず、得られる情報に限りがあるため、対面診療と適切に組み合わせることが基本です。病状や必要な検査によって利用できない場合もあるので、主治医に確認してください。[7]

Q. 親の代わりに家族が行って、薬だけもらえますか?

ご家族が行けば必ず処方されるとは限りません。必要な診察方法や、処方された薬の受け取り方は別の確認事項です。受診できない事情と薬の残りを処方元へ伝え、本人の診察をどう行うかも含めて相談してください。

Q. 訪問診療と通院支援では、費用はどう違いますか?

訪問診療の医療費と、送迎・付き添いの費用は別のものです。通院支援では、介助費に加えて運賃などが必要になる場合があります。保険の適用範囲と自己負担を分け、希望する支援全体の費用を確認しましょう。[4][5]

まとめ|親の通院を、家族だけで抱え込まないために

親御さんが通院できなくなったときは、まず急な体調変化がないかを確認し、そのうえで移動・付き添い・ご本人の不安を整理しましょう。通院支援で負担を減らす方法も、自宅で医療を受ける方法も、病状と暮らしに合わせて相談することが大切です。

「これまでどおり連れていけない」ことと、「必要な医療を続けられない」ことは同じではありません。ご本人の希望と、ご家族が担える範囲を伝え、かかりつけ医や介護の担当者と無理のない方法を考えていきましょう。

参考情報

  1. あいはらクリニック「在宅医療について」
  2. 総務省消防庁「救急車利用リーフレット(高齢者)」
  3. 宇都宮市「地域包括支援センター(保健と福祉のまるごと相談窓口)とは」
  4. 八戸市「通院等のための乗車又は降車の介助サービスについて」
  5. 柏市「在宅医療「よくある質問」」
  6. 柏市「在宅療養を支える人には、どんな専門職がいるの?」
  7. 厚生労働省「オンライン診療について」
  8. 柏市「在宅医療「利用したいときは?」」
  9. あいはらクリニック「医師紹介」

参照日:2026年9月21日。自治体資料は一般的な制度・支援の説明に用いています。個別の利用条件や費用は、お住まいの自治体・医療機関・事業者へご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の診断や治療方針を決めるものではありません。

あいはらクリニックの著者情報。院長のプロフィールと内視鏡検査・訪問診療への取り組みを紹介。

あいはらクリニック 院長

藍原 有弘

消化器外科の経験を活かし、内視鏡検査や訪問診療に取り組んでいます。地域のホームドクターとして、丁寧な診察とわかりやすい説明を大切にしています。[9]

主な経歴
2001年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
2014年 東京医科歯科大学医学部附属病院 肝胆膵外科助教
2016年 インターパークビレッジ内科外科 院長
2022年 あいはらクリニック 院長

主な資格
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本外科学会外科専門医
日本医師会認定産業医

経歴・資格は当院公式プロフィールの掲載内容に基づきます。[9]

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